これまでに読んできた数百冊の本の中からとっておきの10冊を紹介します。(順不同)
こちらのエントリーは現時点でのベストな10冊なので、時とともに内容が変わる可能性があります。


1,僕が就職をしなかったのは、そう、あなたのせいです。沢木さん。


ユーラシア大陸を乗り合いバスに乗って横断する。そんな酔狂な旅の軌跡を記した旅行記。最初に読んだのは中学生の頃。この本を読んで多くの若者がバックパッカーとして旅に出たことだろう。私の場合は、会社に就職しないという生き方を選ぶきっかけとなったように思う。特に香港からインドあたりまでが素晴らしい。


2,人生で大切なことはすべてクッキングパパから学んだ


第1巻は1986年に刊行されているので、自分はまさに『クッキングパパ』とともに成長してきたといえる。プロ並みの料理の腕前を持つ荒岩一味。彼はまさに元祖イクメンだったのではないかと思う。かつては、まこと(荒岩家の長男)の視点で物語を読んでいたが、今では親の視点で物語を見るようになった。


3,二十歳のころに読んだ村上作品。二度と戻れない青春時代。


この小説はちょうど主人公たちと同年齢の頃に読んだと記憶している。また、登場人物の一人と当時つきあっていた彼女の名前が同じだったこともあり、感情が入りすぎたことも今となっては良い思い出。たぶん、これからは経験することはない素晴らしい読書体験となった。


4,憎しみを乗り越えるという一番の困難

黄金の王 白銀の王 (角川文庫)

黄金の王 白銀の王 (角川文庫)

  • 作者:沢村 凜
  • 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012-01-25

対立する二人の王が主役のファンタジー。相手を殺したいと思うほど憎しみ合っていた二人が選んだ道は力を合わせ国を統治するという茨の道だった。私利や小事にとらわれず、本当に大事なことを見極めることの大切さを教えてくれるファンタジー。リーダーを目指す人に読んでもらいたい。


5,死と向き合ったとき人は本当の「生」を生きることができる


山岳小説の金字塔。山に魅せられた男たちの息づかいまでが感じられる。人は死を間近に感じたときにこそ、本当の「生」を生きることができるのかもしれない。マンガ版もあるのでそちらもオススメ。山岳小説や山岳マンガはハズレが少ないように感じる。


6,父が息子に願うことはただひとつ

とんび (角川文庫)

とんび (角川文庫)

  • 作者:重松 清
  • 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011-10-25

不器用な父と息子の物語。父親になった今だからこそ、この物語の素晴らしさがよくわかる。「幸せになりんさい。金持ちになんでもええ、偉いひとにならんでもええ。今日一日が幸せじゃったと思えるような毎日を送りんさい。明日が来るんを楽しみにできるような生き方をしんさい。親が子どもに思うことは、みんな同じじゃ、それだけなんじゃ」私も心からそう思う。


7,偉大かつ愚かな人類の近代史

世界を変えた100日

世界を変えた100日

  • 作者:ニック ヤップ
  • 出版社:日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2008-10-23

その時歴史が動いた。歴史的な瞬間を切り取った貴重な写真が満載。1851年の第1回万国博覧会から2005年のハリケーンカトリーナまでの約150年の歴史が詰まっている。これを見れば人類は時に偉大で、時に(というよりはほとんど)愚かであることがよくわかる。


8,カエサル(シーザー)とは人類史上における最高傑作


ローマ帝国の盛衰を描いた塩野七生の『ローマ人の物語』。その中でも傑出した出来なのがカエサルの生き様を描いた2つの巻。「賽は投げられた」という言葉とともにルビコン川を渡る場面は鳥肌もの。人類史上の傑出した(しかも政治、軍事、文筆など多分野において)人物カエサルの人生の物語。


9,ひとつのアルゴリズムが世界を変革する

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)[Kindle版]

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)[Kindle版]

  • 作者:クリストファー・スタイナー
  • 出版社:KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2013-10-10

Google(時価総額およそ50兆円)は、もともとは検索エンジンのアルゴリズムが企業価値の源泉であった。また、映画『ソーシャルネットワーク』では、主人公(ザッカーバーグ)がアルゴリズムを考え出す場面が印象的に描かれている。それほどまでにひとつのアルゴリズムには価値がある。本書は、私たちの生活がいかにアルゴリズムに支配されているかを記している。そして次にくるのはAI(人工知能)であろう。


10,知の巨人の本棚、つまり脳内をのぞき見る

日本を代表する知的巨人の本棚を紹介していくという企画。写真のインパクトもすごいが本の分厚さ(650ページ)もすごい。知の世界で生きるということが、どのようなことなのかがわかってくる。読書法を学ぶことも大切だが、本棚をどう管理していくかというのも重要な課題である。

立花隆の書棚

立花隆の書棚

  • 作者:立花 隆
  • 出版社:中央公論新社
  • 発売日: 2013-03-08


いかがだったでしょうか。あなたの知っている本もあれば、まったく初めて聞くタイトルもあったかもしれません。あなたにとって大切な1冊も教えていただけると幸いです。